2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧
いい映画を観たあとは、 興奮気味の荒呼吸でも ナルシスト的な溜息でもなく、 今日が愛しく深呼吸がこぼれる。
時間をかけて放たれた 貴方の口から、その言葉。 待ち侘びていた筈なのに、 生まれて初めて聞いたような響きを持って、 この心に届いたよ。 貴方のくれた、その言葉。
逢えなくたって、 今はわたしの 「あなたとの」時間。
どんな都会も、 太陽が昇ってまもない頃に ほんの少しうたた寝る。 摂食排泄歯磨き洗濯。 人間の、 体が覚える朝のリズムが子守唄。
広い宇宙だもの、 違う色だから、見つけられた。 違う色だから、隣に居られる。
雲を晴らす唄があった。 雨を呼ぶ音があった。 そして、 聴く者を暖めようと 祈る心の歌い手がいた。 その祈りが、 雨の中にも烏を呼んで いつしか雲も途切らせた。 美しい美しい歌声だった。
己の許せないことを知るとは、己の心の聖域を意識すること。 いわば心の「許せない神殿」。 ただ、自分のそれが、 憎しみの歴史に建てられたものでないかは見極めたい。
自転車で風を切る。 小さな秋が、 体にぶつかる。
お気に入りやデリケートな服は 自分でやさしく手洗いします。 柔軟剤入りのトロリとした水の、 香りと感触が残り漂う静かな午後。 それらまるごと身にまとっていた少女時代を、 夢うつつにうつらうつら。
去年の夏の入院のとき、 たった一日 いやたったの数時間 付き添いをして 寝間着を変えて体を拭いてあげた。そのたった一度のことを、 何度も 何度も ありがとうと言ってくれるおばあちゃん。こちらこそ、本当にありがとう。
笑顔は、あなたの心の玄関。 横顔は、あなたの心の居間。 泣き顔は、あなたを作る心のキッチン。 戯け顔は、心の浴室。 眠る顔は、あなたの特別客室。 怒り顔は、あなたの心のきっと寝室。 お招きを、ありがとう。
暑い暑い昼下がり、 一寸木陰で腰掛けて ファンタグレープを飲むお婆さんがいた。 紫色の小宇宙。 小さな爆発をくり返し、 細い喉を潤していく。 夏のささやかな刺激、 ホッと心がほころんだ。
言いたいことを言ったあと スッキリするだけじゃ、 溝が生まれる。 言いたいことを言ったあと 苦みが残るようなら、 それはきっと何かの芽を生む。
一期一会という言葉は、 瞬間ゝゝ悔いなくやろうぜ! ということよりも、 その儚さを美しいなと留めたくて 生み出された言葉なのかもしれない、と思った。
苦いけど いつかおいしくなるのかな。どうにもできない現実と、 うまく呑めないこのビール。
がんばることをやめてみようか、と思えるときこそ 心は充足して、前を向いている。 ここで呼吸していたら良い。
空のカケラを撮り集めても、 ほんものの空には追いつかない。 喜びのカケラを言葉にしても、 こころのなかは語り尽くせない。 それでも確かにこのカケラ 今日の宇宙に在ったんだ。